2020年6月3日お知らせ
会員各位
新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、昨日緊急事態宣言が発令されました。各企業、個人が、政府及び地方自治体の要請等に従い適切な行動を取る必要があると考えております。会員の皆様には大変なご迷惑をおかけしますが、事務局も可能な限り在宅勤務とする等の対応を行っておりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。
さて、3月期決算会社においては、計算書類や事業報告の作成等が開始されており、監査役等の皆様も、期末の監査活動の準備を進めておられることと存じます。現下においては、計算書類や事業報告の作成の手続きや、会計監査人の監査手続き、さらには株主総会の開催等について、従前どおりの手続きが行えない、特別な対応を要する等の場合もあると考えられます。監査役等の皆様におかれましては、執行部及び会計監査人と緊密な情報交換を行い、自社のおかれた状況を適切に把握するとともに、順次関係各所から発信される文書等にも十分にご注意いただき、期末の監査報告作成や株主総会へ向けた準備を行っていただきますようお願いいたします。
監査役等の監査活動は、期初から積み重ねられたものであり、期末監査の場面では様々な制約があろうかと存じますが、現行法令の範囲内で必要に応じて適切に監査手続きを合理化又は取捨選択することも含め、出来うる限りの活動を行って監査意見を形成し、その結果を監査報告にまとめていただくことが肝要であると考えております。
現在関係各所から発出されている文書等は以下の通りです。(6/3更新)
・日本公認会計士協会(新型コロナウイルスへの対応について)
https://jicpa.or.jp/news/information/announcement_kansensho.html
・日本取引所(新型コロナウイルス感染症に関するJPXの取り組み)
https://www.jpx.co.jp/corporate/news/news-releases/0020/20200302-01.html
・法務省(定時株主総会の開催について)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00021.html
なお、令和2年5月15日、会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令(法務省令第37号)
が公布・施行され、施行の日から6か月以内に招集の手続が開始される定時株主総会に限り、
いわゆるウェブ開示によるみなし提供制度の対象が追加され、その追加対象には、
監査役等による監査報告及び会計監査人による会計監査報告も含まれております。
「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令(令和2年法務省令第37号)について」
http://www.moj.go.jp/content/001319873.pdf
・法務省(商業・法人登記事務に関するQ&A)
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho06_00076.html
・経済産業省(株主総会(オンラインでの開催等)、企業決算・監査等の対応)
https://www.meti.go.jp/covid-19/kabunushi_sokai.html
・経済産業省(株主の皆様へのお願い -定時株主総会における感染拡大防止策について-)
https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200522010/20200522010.html
・金融庁 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた企業決算・監査等への対応に係る連絡協議会
(新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた企業決算・監査及び株主総会の対応について)
https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/20200415/20200415.html
・金融庁(「新型コロナウイルス感染症の影響に関する記述情報の開示Q&A
-投資家が期待する好開示のポイント-」の公表)
https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/20200529.html
・金融庁/経済産業省/法務省 「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた企業決算・監査等への
対応に係る連絡協議会」に係る3省庁によるガイダンス(継続会(会社法317条)について)
https://www.fsa.go.jp/ordinary/coronavirus202001/11.pdf
なお、上記に関連し、日本公認会計士協会では、署名・押印に関する実務の現状・対応についての
資料が公表されております。
「監査業務における署名・押印に関する実務対応について」
https://jicpa.or.jp/news/information/3-99-0-0-20200508.pdf
また、継続会における役員改選並びに取締役会に出席した取締役及び監査役の
議事録への電子署名について、法務省より見解が示されています。
内閣府(第11回 成長戦略ワーキング・グループ 議事次第)
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/seicho/20200522/agenda.html
※資料1-3 論点に対する回答(法務省提出資料) 参照
当協会会員の皆様に向けて、提供している情報については以下の通りです。
【動画配信】(5/28更新)
・「2020年株主総会に関する実務と監査役等の留意点」
テーマ1.新型コロナウイルス感染症対応 にて、株主総会開催に関する留意事項等をまとめてお話いただいていますので、ご参照ください。
・「新型コロナウイルス感染症の拡大と監査役等としての留意事項
-平時と異なる事態の想定と監査報告の作成等の職務の備え-」
・「新型コロナウイルス感染症拡大局面における監査役等の期末決算監査の留意事項
~ 会計上の見積りの監査に関する論点解説を中心に ~」
・「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた株主総会運営上の留意点
- 有事において採り得る選択肢の中で」
【Net相談室】
・キーワード検索に「コロナ」と入れて検索していただきますと、関連するご相談のQ&Aをご参照いただくことができます(一部別のQ&Aもヒットします)。
(例:リアルに監査役会を開催できない場合の対応等)
・ 監査報告の作成に関するご相談については、月刊監査役4月号に同封した令和2年3月WEB講演会資料「監査報告作成にあたっての留意事項と事例分析」の96ページ以下、Ⅳ.監査報告に関連するNet相談室の相談事項(抜粋)に様々な相談例を掲載していますので、ご参照ください。(例:会計監査人の監査報告が限定付意見だった場合等)
・ 必要に応じて、新たなご相談をお送りいただくことも可能です。
令和2年4月8日
公益社団法人日本監査役協会
専務理事・事務局長 大野和人